ニコンが特許公開したセンサーは、簡単に説明すると2層式センサーでかつ今までにないカラーフィルターを備えたセンサーで、通常のベイヤーセンサーの1画素分の画素を2分割して、その隙間に光を通すことで2層目のセンサーに光を導いているので、Foveonセンサー(SIGMAが特許を持っている3層式のセンサー)の特許とは違う形での複層式センサーになっているようです。
第1層のセンサーは普通のセンサーで、第2層のセンサーを裏面照射型センサーとして設計しているようです。
また、このセンサーは像面位相差センサーとしても考えられていて、公開特許の中で明記されています。
このセンサーの特徴
このセンサーの最大の特徴は、カラーフィルターが特殊で今までにない色をフィルターとして使うことで、CANONのデュアルピクセルセンサーとはまた違った形での位相差センサーを搭載しています。
カラーフィルターが違う
第1層のカラーフィルター
- マゼンダ
- シアン
- イエロー
第2層のカラーフィルター
- グリーン
- ブルー
- レッド
この第1層のカラーフィルターが今までに無い配色で、今までのセンサーはグリーン・レッド・ブルーで構成されていましたが、マゼンダ・シアン・イエローの配色を採用することで、1層と2層の色の関係を補色の関係とすることでコントラストが最大になるように設計されています。
後述しますが、補色の関係にすることで像面位相差センサーとしても機能するようになります。
第1層のCMY画像は、変換処理によってRGB画像に変換され画像として出力しているようです。
結果、RGB画像としての光の欠損はないものと仮定できるので、センサーが受ける光の欠損はないものとして考えることが出来るのだと思います。
像面位相差センサーとしても機能する
CANONのデュアルピクセルセンサーは、1画素を2分割することで位相を検知して、その情報を元に被写体の距離を計算していましたが、ニコンのセンサーは1層と2層それぞれがデュアルピクセルセンサーのように位相差センサーの代わりを果たしています。
CANONのセンサーとの違いは、ニコンのセンサーは第1層で得た焦点距離を第2層目のセンサーで微調整するような動きをすることで、より正確な位相差センサーとなっている上に、第1層と第2層が補色の関係にあるので、コントラストAFFAIRSの役割も果たせることから、分かりやすい説明としては『ハイブリッド像面位相差センサー』と言えるようです。
また、各分割センサーがさらにそれぞれ分割されることでより正確な位相差検出できるセンサーも考えられているようです。
Nikon公開特許
発明の概要