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やさしいデザイン

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やさしいデザイン

デザインと言っても色々ありますが、一般的に華やかに見える業界でも大変地味で良いデザインほど、使い易かったり見やすかったり、意外と見つけてもらえないものです。

逆に悪いデザインは少しの注意を払ってみてしまったりするので、大変目につきやすいものです。

何が言いたいかと言うと、良いデザインは、工業製品のデザイン(インダストリアルデザイン)などでは分厚い説明書を見なくとも使用方法が分かる様な、感覚的や知覚的に優れた製品が私は良いデザインだとおもいます。

デザイン業界でよく勘違いされているのが『アフォーダンス』という言葉です。

この言葉が大変説明しづらいのですがデザインの要素として重要な部分を担っています。

デザインする上で『アフォーダンスを追加したのにその機能が使用されな』い等と言われたりするのですが、それは単にアイコンを追加したり、その場所にサイン(注意書き等)を書いたりしているだけで何もアフォードしていないのが実情です。

アフォーダンスとは、知覚的に見えている事もあるし見えない場合ももちろんあります。説明すると非常に長くなりますが、ニュアンスとしては直接的に五感で感覚的に理解でき、自然とアクションを起こせる様な感覚的なものです。

悪い例として、道路などで信号待ちをしている時に中央分離帯を見てみてください。そこに誰かがゴミを捨てたとしましょう。

そのゴミを見た他のドライバーがまたゴミを捨ててしまう。

信号待ち+中央分離帯がスペースがある+待ち時間+右ハンドル+左側通行で、結果そこにゴミを捨てる行為をアフォードしている分けですが、さらにそのゴミ自身がまた、他のドライバーがそこにゴミを捨てて良いのだと勘違いさせるようなアフォードを与えている事になります。

しかし、大抵のドライバーはゴミを捨てません。デザインにおいてのアフォーダンスとは、万人に対して有効なのではなく、アフォーダンスを感覚的に受動できる人にのみ有効なのがわかるかと思います。

理解するのが難解かもしれませんが、デザインにおいてのアフォーダンスとは、サインそのものではなく物や文章・空間などに対して人間が感覚的(視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚の五感+平行感覚や運動感覚・加速感などの知覚出来る全てにおいて)に受け取れる情報と、言うことになります。

人それぞれの感覚に依存しますから、デザインの手法に取り入れるのは難しいように思えますが、主観になりますが、一時期はやったユニバーサルデザインなどは、感覚的にアフォーダンスを取り入れてデザインされているのかな?と、印象をうけます。

興味のある方がいれば、いずれ書いてみたいと思いますが、ユニバーサルデザインは、老人から成人、身体がうまく動かせない人などにも使いやすいようにと、デザインする手法ですが、万人向けではありません。

視覚が不自由な人には、触覚や聴覚に訴えるのが定番だと思いますが、それだと音が何を表現しているのか知っていないとアクションは出来なくなりますから、ユニバーサルでは無くなってしまいます。ユニバーサルデザインもまた、万能ではないのです。

デザインする場合、そのデザインを利用する対象を限定すればする程簡単になります。逆に万人に向けてデザインをする(制約が少ない状態)だ、『さぁ、どうやってデザインしていこう?』となって、突然難しくなってしまいます。

デザインしていく上で大切なのが、まず対象を決めてからデザインをする。その文章を読む人、その画像を見る人、その物体に触れる事の出来る人、さらにはマニュアルや説明書、手順書までデザインされていますから

『デザインする』とは、誰かのためのデザインなのです。それは『やさしいデザイン』だとおもいます。

デザインする、誰しもカッコイイデザインを思い浮かべると思いますが、色々なアプローチをへてデザインする。見た目だけではなく手法を、概念的な考え方を取り入れて、やさしいデザインを考えていけばおのずと機能美が後からついてきますから、誰かのためのデザインを考えてみてください。デザインとは何も形だけではないのです。

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